台十能-(だいじゅうのうと読みます)熾った炭を運ぶ道具 です。炭十能 ともいいます。
仲間で コンサート のイベントを行って、裏方で動いてた時に お寺の庫裏 の所で発見。長年炭に携わってきて恥ずかしながら初めてこの道具を知った。
火を熾した炭を運ぶのに使う便利な 道具 、台十能 は 火起しで火を熾した炭を運ぶ際、火種が下に落ちないように運ぶのに使います。
下に穴のあいた 火熾し をこの ミルクパン みたいな 台十能 に乗せて上手い事運べます。炭を運ぶための道具 十能と言う道具は小型のスコップのような形をしたもの。
炭や灰を運ぶための道具「十能」に、台がついているのが 台十能なんだとか。そのまま 火起こし器 を入れて運ぶことができます。
和尚さん の 奥さんの若おかみさんは、お茶の世界 ではよく使ってますよって。
なるほど。。。ぼくはまだお茶の世界には向かえてないので。
話が変わりますが、今回のここでのミッションは何かというと、『熊本復興チャリティーコンサートin宗鏡寺』のコンサート会場は紅葉をライトアップした開けっ広げ。石油ストーブも焚いてるけど、火鉢も何箇所かおいてお客さんに暖を取ってもいらってる。コンサート途中で火鉢の炭が弱くなったので、炭職人である僕に『田沼君、炭を作って運びなさい』とのミッションが発生!この無謀な発注に庫裡の厨房の薪ストーブで熾き火(炭火)を作って火鉢に補充すると言う事であった。普通の白炭なんかの炭はそんな5分、10分で出来るような代物では無い。でも炭焼き職人でもあり薪ストーブなんかもたくさん設置してる火を扱うプロとして簡単なことである。
薪ストーブと言えば薪を燃やします。火と言うものは酸素が有って燃えます。化学式で言うと燃料の炭素Cと酸素O2が化合してCO2になります。木材は約半分の炭素量、1kgの薪が有ったとすると500gが炭素Cである。これをどれだけ効率よく取り出すかが炭焼きの仕事。それでも10%~20%ってところ大部分が空気中に放出してしまう。ですから薪1kgからだと2kgも取れれば上等と言う事になる。炭窯はこれを最大限効率を上げて炭を作るために考えられた物。薪ストーブのように空気が潤沢に入ってしまうものであればCO2になって空気中に放出し灰が残るだけ。ここで炭焼き職人のテクニックは、少し燃えた薪の上に新しい薪を積んでまた積んで行く、燃えかけた温度の上がった薪に乗せて次の薪が燃える事で下積みになった薪は酸素不足の状況が起き、炭になる。ブルーの炎やオレンジの炎が出てる間は木材が温度上昇で木ガスが出てる状況。これが出てる状況は煙突の無い環境に出したらすぐわかるけど、ガス臭い状況。これだと人前には持って行けない。この状態を通り越したところで見極めて取り出す。
あまり炎も上がらず、臭くもなく熾る炭の出来上がり。
炭焼きは科学!!
十能(什能、じゅうのう)は、小型のスコップあるいは柄杓(ひしゃく)のような形をした、日本の、炭や灰を運ぶための家庭道具あるいは農具である。鉄製であることが多く、柄の部分まで鉄製のものを「共柄(ともえ)」、柄が木製であれば「木柄(もくえ)」と呼ばれる。先端部は鋳鉄製あるいは、メッキ薄板金製で角スコップの形状をしている。主な用途は、炭火を利用する囲炉裏あるいは石炭ストーブや暖炉などへの燃料(炭など)の投入や移動。また、溝の掃除、焼却炉の灰かきにも用いられる。共柄十能は近年の日本では100円ショップで販売されるほどの価格である。
炭十能 または 台十能 と呼ばれるものは、火のついた炭を運ぶために柄杓の形をしたものであり、鍋の形状にも近い。鋳鉄製 、銅製 、アルミニウム製 などがある。形は似るが 火起こし と違って底部に炎を通す隙間がないので、木炭 を 炭十能に入れ直火に掛けることでの 着火 は難しい。また、茶道 などで用いるものなど 家屋内 で使用するものは、熾った炭を入れたまま畳に置けるよう木製の台座が付いており、この台座付きの炭十能は直火に掛けることができず炭への着火に全く適さない。
語源は10の能力(使い道)がある」から、十能と称されるようになったという説もある。
五徳、七輪、八寸、十能とかなんか炭道具は数字にまつわるものが多いなぁ。。。
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