災害防止にも広葉樹の森は優れています

次の現場に入るための準備段階で、山に作業道を入れます。『作業道』とは特定の森林整備を目的として簡易な構造により開設されたものであり、森林整備完了後は原形に修復することが原則となっています。今回の場合は作業路と言う表現が適切かもしれません。トラックは通りませんので。現場が終わったら元の状態復帰が基本です。今回は山主さんが許可して残すパターンになるかもしれません。

いっぽう『林道』は、森林へのアプロ-チを容易にして、適正な管理と間伐等の森林整備を行うための基盤となる恒久的施設であり、地域に居住されている方々の生活道としての役割も果たしています。

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道の進行途中にはもちろん木が生えています。直径30cmほどのコナラの根を掘り起こすいわゆる抜根、これがなかなか大変なんです。杉とか桧なら比較的根の張りが少なく、抜きやすいのですが広葉樹は根の張りが広くててこずりました。考えたらすぐわかります、針葉樹の枝の広がりは少ない、自分の体を支える根もだいたい同じくらいの広がりです。広葉樹は枝の広がりも広い、だから根も同様に広がっています。災害防止にも広葉樹の森は優れているのが考えてみればすぐわかりますね。現代、よく地滑りとか山崩れしてるのが針葉樹の山というのも最近ではよく見るパターン。この一株でだいたい1時間かかりました。根はバックホウのバケットで切りながら作業を進めます。
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抜けました。大きな穴が空きます。ですから僕はその根っこを埋めてその上に土を戻します。もともと地上部の株が邪魔なので除去してるだけですので伐り株を横にして埋めてやれば大丈夫です。途中で心折れそうになりました。これをせずに多少アップダウンさせて曲がりくねった道で辛抱出来れば抜根するより仕事が早く進むかもしれませんが、やはり真っ直ぐ進みたいですよね~。

 

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このようなスチュエーションでついつい思いだしてしますのが道程。
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
(DOUTEI Takamura Koutarou)

一般に読まれてるのと違い本来の原文はとても深いい-、ので是非読んで欲しい。「高村光太郎全集 第十九巻」 筑摩書房 より

『道程』

どこかに通じている大道(だいどう)を僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
道は僕のふみしだいて来た足あとだ
だから
道の最端にいつでも僕は立っている
何という曲がりくねり
迷い まよった道だろう
自堕落(じだらく)に消え 滅びかけたあの道
絶望に閉じ込められたあの道
幼い苦悩に もみつぶされたあの道
ふり返ってみると
自分の道は 戦慄(せんりつ)に値する
支離滅裂(しりめつれつ)
また むざんなこの光景を見て
誰がこれを
生命(いのち)の道と信ずるだろう
それだのに
やっぱり これが生命(いのち)に導く道だった
そして僕は ここまで来てしまった
このさんたんたる自分の道を見て
僕は 自然の広大ないつくしみに涙を流すのだ
あのやくざに見えた道の中から
生命(いのち)の意味を はっきりと見せてくれたのは自然だ
僕をひき廻(まわ)しては 目をはじき
もう此処(ここ)と思うところで
さめよ、さめよと叫んだのは自然だ
これこそ厳格な父の愛だ
子供になり切ったありがたさを 僕はしみじみと思った
どんな時にも 自然の手を離さなかった僕は
とうとう自分をつかまえたのだ
丁度そのとき 事態は一変した
にわかに眼前にあるものは 光を放射し
空も地面も 沸く(わく)様に動き出した
そのまに
自然は微笑をのこして 僕の手から
永遠の地平線へ姿をかくした
そしてその気魄(きはく)が 宇宙に充ちみちた
驚いている僕の魂は
いきなり「歩け」という声につらぬかれた
僕は 武者ぶるいをした
僕は 子供の使命を全身に感じた
子供の使命!
僕の肩は重くなった
そして 僕はもう たよる手が無くなった
無意識に たよっていた手が無くなった
ただ この宇宙に充ちている父を信じて
自分の全身をなげうつのだ
僕は はじめ一歩も歩けない事を経験した
かなり長い間
冷たい油の汗を流しながら
一つところに立ちつくして居た
僕は 心を集めて父の胸にふれた
すると
僕の足は ひとりでに動き出した
不思議に僕は ある自憑(じひょう)の境を得た
僕は どう行こうとも思わない
どの道をとろうとも思わない
僕の前には広漠(こうばく)とした 岩疊(がんじょう)な一面の風景がひろがっている
その間に花が咲き 水が流れている
石があり 絶壁(ぜっぺき)がある
それがみないきいきとしている
僕はただ あの不思議な自憑(じひょう)の督促(とくそく)のままに歩いてゆく
しかし 四方は気味の悪いほど静かだ
恐ろしい世界の果てへ 行ってしまうのかと思うときもある
寂しさは つんぼのように苦しいものだ
僕は その時また父にいのる
父はその風景の間に わずかながら勇ましく同じ方へ歩いてゆく人間を 僕に見せてくれる
同属を喜ぶ人間の性に 僕はふるえ立つ
声をあげて祝福を伝える
そして あの永遠の地平線を前にして 胸のすくほど深い呼吸をするのだ
僕の眼が開けるに従って
四方の風景は その部分を明らかに僕に示す
生育のいい草の陰に 小さい人間のうじゃうじゃ はいまわって居るのもみえる
彼等も僕も
大きな人類というものの一部分だ
しかし人類は 無駄なものを棄て(すて)(くさ)らしても惜(お)しまない
人間は 鮭の卵だ
千萬人の中で百人も残れば
人類は永遠に絶えやしない
棄て腐らすのを見越して
自然は人類のため 人間を沢山つくるのだ
腐るものは腐れ
自然に背いたものは みな腐る
僕はいまのところ 彼等にかまっていられない
もっと この風景に養(やしな)われ 育(はぐく)まれて
自分を自分らしく 伸ばさねばならぬ
子供は 父のいつくしみに報いた気を 燃やしているのだ
ああ
人類の道程は遠い
そしてその大道はない
自然の子供等が 全身の力で拓(ひら)いて行かねばならないのだ
歩け、歩け
どんなものが出てきても 乗り越して歩け
この光り輝やく風景の中に 踏み込んでゆけ
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、父よ
僕を一人立ちさせた父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
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作業道と、林道の違い
(1)目的
林道:森林の適切な管理と森林整備を行うための基盤となる施設であり、地域住民の生活道
作業道:特定の森林整備を行うための施設

(2)性格
林道:林内路網の幹線で恒久的施設
作業道:林道の支線で一時的な施設

(3)構造
林道:林野庁長官が定めた「林道規程」に基づいた規格、構造
作業道:目的とする森林整備にあった簡易な構造

(4)管理者
林道:地方公共団体の長又は森林組合等の長
作業道:森林組合等の長又は森林所有者

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せやねん 2016/10/02

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